『農村×能村』 第2弾 里山の夜テラス能
5月に開催した「ミチのムコウ」プロジェクトの田植えとコラボした能楽「高砂」に引き続き、今回はAZE HOUSE(空き家&耕作放棄地の再生中)に付随する棚田にて能楽「融~とおる~」を披露させていただきました。日の入りと共に舞がスタートし、月明かりが照らす棚田にて幽玄の世界を味わいました。

「農村×能村」第2弾のプログラムを紹介します。
【人数限定の能楽ツアー】

能楽資料館 ⇒ 丹波篠山 春日神社 を巡り、能の世界を学びます。
能楽師上田宜照さん直々のアテンド、解説はとても貴重な機会でした。

会場のAZE HOUSE大広間にて、主催の一般社団法人AZE置塩さん(本プログラム全体の企画運営担当)より挨拶の後、能楽師上田宜照さんより能楽の話、本日の演目「融~とおる~」の解説がありました。能楽の世界に触れ、期待が高まります。
【能楽披露】
今回は里山を舞台にしました。里山と能?農業と山との関係って?と不思議に思われる方もいらっしゃるかと思いますが、日本においては、山林(里山)と農業には非常に深い関わりがあるのです。
農業と能楽のつながり、第1回「農村×能村」については以下の記事をご覧ください。
【ミチのムコウ】100人ではぐくむ名前はまだ無い日本酒2025募集×丹波篠山国際博 | 丹波篠山 吉良農園
【ミチのムコウ】丹波篠山国際博オリジナル企画『農村×能村』 田植えVer | 丹波篠山 吉良農園
ここでは農業と山(里山)とのつながりについて簡単ですがお話します。
現代農業において肥料は購入することがほとんどですが、かつては山の落ち葉や刈草、家畜の排せつ物など地域で自給することが多く、山は資源供給源として機能していました。絶えず人の手が入りつつも再生産可能な範囲を維持していく仕組みやルールは結果的に生物が多様で美しい広葉樹の里山を形成していきました。関連する話では、NHKの「ちこちゃんに叱られる!マツタケはなぜ高いの?」でも解説されています(11月8日(金)NHK総合テレビ 19:57~「チコちゃんに叱られる!」出演 江口文陽 教授(森林総合科学科) | 東京農業大学)。
しかし、社会や農業の仕組み、暮らしが大きく変化してきたことで山も変化してきています。

こうした背景を踏まえて「里山の夜テラス能」というテーマ名には、実は3つの意味が込められているということを最後にお伝えしたいと思います。

1つ目は、「テラス=Terraced rice fields=棚田」
かつては棚田であったところですが、耕作放棄され長い年月が経過して荒れ地となっていました。かつては農業が営まれていたところを同じようには再生することはできておりませんが、棚田を自然の舞台と見立てて活用してみました。

日の入りと共に月が上ってきている
2つ目は「夜テラス=月明かりが照らす」。
演目の「融」は、『平安時代の貴族・源融(みなもとのとおる)の伝説を基にした物語。物語は、僧が河原院を訪れ、老人が融の生涯やその邸宅について語るところから始まります。老人は、融が陸奥の塩竈浦の風景を再現し、遊宴を楽しんだことを語ります。物語は、融の霊が現れ、月の都に帰る様子を描いています。この能は、風雅や懐古の情をテーマにしており、月の都での舞や遊楽の表現が特徴。』(出典:Wikipedia、能楽ドットコム等)とあります。月明かりが照らす舞台での幽玄世界を表現しています。

3つ目は、「里山テラス=里山の未来を照らす」
現代社会においてコスト面などで農業生産の場としては需要のない今回の棚田のようなところには、人の手が入らず耕作放棄され荒れ果てていく一方のところが多くあります。農地ですらそうなのですから、さらに奥に続く山林に至っては荒廃が加速していくことは想像に難くありません。しかし、この棚田は集落の一番奥に位置し、水源地としての山も近く農村にとっては大切な場所でもあります。そこで新しい視点、新しい分野との連携によって可能性を見出し、新しい関わりを創っていく。小さな一歩ですが、里山の未来を照らす希望の光という想いを込めています。
少しまじめな話をしてきましたが、長い間受け継がれてきたものには心が動かされます。

11月の寒い中でしたが、ご参集くださいました皆様本当にありがとうございました!
日暮れの棚田での能楽という無理難題を快く引き受けていただき、感謝いたします。
「農村×能村」のアイデアはじめ、本日の能楽ツアー等オフィス・ヒロセの廣瀬誠さん、大変お世話になりました。
最後になりましたが、実は裏テーマとして
「農村×能村」
「農家 吉良佳晃(よしてる) × 能楽師 上田宜照(よしてる)」
⇒ ダブル「よしてる」企画 でもありました(笑)
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『丹波篠山 吉良農園』 ~農業を通じて次世代へ~
私たちは丹波篠山にて、「里山における有機農業」を実践するクリエイティブチームです。
【お知らせ】
●出演:2025年11月23日(日)14時~ 篠山大謡 @篠山城大書院
⇒ 丹波篠山市民を中心とした一般参加者が数回の稽古を経て、能の「謡~うたい~」を披露します。丹波篠山国際博のオープニングイベント会場となった篠山城跡「大書院」二の丸広場にて開催。吉良農園代表の吉良佳晃が能「羽衣」の謡を披露します。
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