OPEN FARM for Chefs 2025
生産現場を知っていただくこと、野菜を通じたシェフ同士の出会いの機会にも、という想いで開催しました。ご案内が直前になることが多くご迷惑をおかけしましたが、今年の開催内容を振り返ってみます。

【第1回 2025年8月19日(火)10~12時】
テーマ:土づくり編 ~2つの器としての土~
まずは畑へ。夏の暑い中でしたが、シーズン真っ只中の夏野菜の畑(ツルムラサキ、オクラ、ナスビ、万願寺とうがらし、ピーマン、ミニパプリカ等)から二番花が開花している丹波黒枝豆の畑を経て、秋冬野菜の準備に入っている畑へと回りました。

「土」は農作物を栽培するための役割に注目されがちですが、地域をまもる器としての大切な役割も担っています。有機農業というと農薬を使わない、化学肥料を使わないということが強調されることが多々ありますが、もともとは地域環境に根ざした農業の仕組み全体のことをいいます。吉良農園では受け継がれてきた伝統的な農法を参考にしつつ、科学的な考え方、日々の栽培実践を通じた経験蓄積等を合わせて、できるかぎり圃場周辺にある自然資源を活用し、土をベースとした栽培体系をつくりあげることで結果として自然環境と共生できる農業を目指しています。
また「土づくり」と言いながらも人が土を作ることはできません。あくまでも良い土を育むサポートをするのが仕事であり、どんな土を目指すかの選択が農法ということになるかと思います。



【第2回 2025年11月6日(木)10~12時】
テーマ:BE Satoyama編 ~農業と野草の多様性~
山の木々がうっすらと色づき、秋晴れの中での圃場見学。真珠豆、黄インゲンの畑からスタートしました。豆として真珠のように純白で美しくおいしい真珠豆ですが、サヤの状態でも優しい甘さで人気です。野性味あふれる黄インゲン、火入れしても色落ちせずしっかりとした味が特徴のこの時期おススメのサヤインゲンです。続いて、終盤となっている夏野菜畑へ。赤く完熟した万願寺とうがらし、オクラのつぼみ、ツルムラサキを味わいました。葉やサヤが黄金色に色づきつつある完熟黒枝豆畑では、豆の色・味の変化を確かめました。最後にこれから出荷シーズンに入る春菊、キラ菜、マスタードの畑へ。赤や緑の鮮やかな畑に野菜の力強さを感じていただきました。
道中には畦草に視点を移します。季節はもちろんですが、草刈の頻度や方法によって野草の種類が変化していくこと、秋の七草をはじめ長い営農の歴史(縄文時代後期にまでさかのぼる!!)によって生き続けてきた野草があること、これらは圃場の大規模化による開発で姿を消していったこと、一方で耕作放棄によっても姿を消していったこと等、農業を営んでいくことと自然に生えている野草が実は関連していることを感じていただきました。日本の自然環境史は農業史でもあり、肥料をどのように得てきたのかの歴史とも関わっている。これらに感銘を受け、私が今の農業スタイルを志すきっかけの一つとなった農業、農村の奥深さや面白さをお伝えしました。

秋には多様な豆が実り、おいしい季節です!



思いがけないサプライズに感謝です!ご馳走様でした!
お忙しい中、ご参加くださったシェフの皆様ありがとうございました。お料理の発想を広げるきっかけとなりましたらこの上ない喜びです。私も農園スタッフも、野菜を、野草を、共に感じながらの時間はとても楽しく学びになることばかりでした。
今後ともこのような取組みは継続したいと思います。
まだアイデア段階ではありますが、料理人の方々も農業を志す方々も共に学び合える場としたいと考えており、若手向けの「OPEN FARM with Future Chefs and Next Farmers(仮)」のようなものも実現していきたいと考えています。
吉良農園と共に、農業を通じて次世代へ。
今後とも宜しくお願いいたします!
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『丹波篠山 吉良農園』 ~ 農業を通じて次世代へ ~
私たちは丹波篠山にて、「里山における有機農業」を実践するクリエイティブチームです。
【お知らせ】
●出店:2025年11月23日(日)10時~14時30 直会市 @丹波篠山 春日神社
⇒ 「直会~なおらい~」とは、神社における祭礼の最後に、神事に参加したもの一同で神酒をいただき神饌を食する行事です。この市では、その御饌(ミケ)を分かち合うことをファーマーズマーケットととらえなおし、農と祈りをつなぐ新しいスタイルのマーケットとして開催されます。
2025年6月28日 第1回開催の様子(丹波新聞)
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