令和7年度丹波すぐれもの大賞受賞!!AZEのこれまでとこれから
執筆者:吉良佳晃
この度、栄誉ある賞「丹波すぐれもの大賞-TAMBA INNOVATION AWARD-」を受賞いたしました。ときめき/ソーシャル・イノベーション(観光・交流)部門での受賞となります。2月3日に、たんば黎明館にて表彰式があり、表彰楯を頂戴いたしました。これもひとえにこれまで支えてくださったみなさま方のおかけです!ありがとうございます!!
兵庫県丹波県民局プレスリリース
https://web.pref.hyogo.lg.jp/tnk11/20260129sukuremonotaisyou.html

受賞したのは最初に手掛け、今ではシンボル事業となっている酒米プロジェクト。
会場では一般社団法人AZEは他にどのようなことをしているの?と尋ねられることが多く、この機会に私たちの目的とこれまでの取組み、これからへの展望を簡単に整理してみようと思います。
【AZEの設立経緯】
中山間地域にて暮らし、農業を営むことで見えてくるものの一つに「手入れ」の大切さがあります。ゴルフ場や公園の芝生が管理会社によって頻繁に整備され美しく保たれているのと同じように、農村の美しい田園風景もまた絶え間ない営農とそれに付随する保全管理によって保たれています。自然に見える農村の風景は絶えず人が手を入れているのですが、案外そのことは知られていません。そして風景以上に、お米の価格高騰や担い手不足で話題にあがりやすい農業を縁の下で支えているのがこの「手入れ」であり、その土台構造が崩壊しかけているという危機が迫っています。あちこちで目立ち始めた耕作放棄地はその兆候であり、風景の変化の背後にある大きな変化をどうすれば解決できるのか、私たちの課題意識はここにあります。
水田を支え、そして暮らしにも山にもつながっている「畦~あぜ~」、地域性や歴史がたちあらわれる畦ですが、「手入れ」が課題となっています。私たち「一般社団法人AZE」の社名はその課題と未来への取組みをあらわします。そして漢字の畦ではなく、AZEとしたのは、畦利用の地域文化的な歴史、その結果としての半自然草地の生物多様性、さらにはこれら農業や里山のテーマを地域に閉じずに世界へとオープンにして対話したい、農村から新しい循環モデル(A to Z for Ecosystem)を探っていきたいという想いを込めています。
事業の目的は「地域の⼈々と多様に関わる⼈々との交流増進を通じて、新たな⾥地⾥⼭像を提案し、未来の地域づくりと持続可能な活動を基盤とした循環型社会の形成に貢献すること(定款より)」であり、事業内容は、農業体験、教育・交流事業、交流拠点の運営等を通じた農村と都市との新たな関わりづくりを通じた価値の創出、場を創造していくことです。

【これまでの展開事業】
ミチのムコウ「100人ではぐくむ名前はまだ無い日本酒」
AZEとして最初に立ち上げた事業です。得意分野の農業を主軸として、地域課題を価値に転換することをねらいとしました。地域農業の担い手である「吉良農園」と地元の老舗「狩場一酒造」が連携し、お互い単独では実現の難しかった課題を価値化するプロジェクトです。
吉良農園としては農家の高齢化ゆえに耕作が難しくなった農地を活用していきたいが、小面積かつ点在している田んぼをお米つくりだけで引き受けるのは経営的に厳しい。狩場一酒造さんとしても地域の方の支えでお酒を造ってきたが、手入れのされなくなった里山が徐々に増え、耕作放棄地となった農地も目立ってきた状況から、次の世代に豊かな自然を残すことは大切な使命と感じつつも手がかりが見つからない。この両者の課題と想いをつなげ化学反応を興すことで地域課題が価値に変わるのではないか。農業への関わり、商品化への参加をも含めたプロジェクト設計に取り組みました。ここで大切にしたいことがあります。それはお米とお酒をはぐくむのは、私たちの集落にある白髪岳・松尾山の伏流水であるということです 。農村の未来はこの水源を守るため、事業で得た利益を長期的な農村の担い手育成や里山整備(活動拠点「AZE HOUSE」の運営など)に充てています 。お酒を造る喜びを共有することが、荒廃する里山の未来を支える力へとつながっています。
田植え体験や稲刈り体験は各地で行われていますが、お米づくりからお酒のラベルデザインまで、すべての工程を参加者と共に体験ができるというのは本プロジェクトの特徴です。3月の土作りから始まり、畦塗り、田植え、生きもの観察、稲刈りを経て、秋にはお酒の名前やラベルを決定 。12月の開栓式でようやくお披露目されるこの事業には、毎年延べ500人を超える都市部・市内の方々が参加し、今年2026年で5年目を迎えます 。


・Be Satoyama 2030
農園ブログでは初めて登場しますが、2023年にスタートした実践型スクールです。より広く、深く農村・里山を体験し、学び、それぞれの実践につなげていこうという目的で通年型のカリキュラムを構築しました。2年間取組み好評だったのですが、より地域に入っていくためにも拠点が必要になり一旦スクール事業は休止し、後述の交流型拠点づくりに着手することにしました。


・里山遠足
2023年にスタートした主に通信制中高生向けのプログラムです。酒米プログラムと並行した形で、田植え、稲刈り、黒枝豆の農業体験と農村に関する講義、ワークショップを通じて学びを深めます。
・交流拠点AZE HOUSE
山林、農地、民家を一体的に活用していきます。2025年1月の家の改修、農地の再生そのものを学びのプログラムとした取組み(後述)、4月のプレオープン以降、高校生や大学生、企業研修のフィールドワークの場として活用していきました。自治会にも法人として入会(村入り)し、地域のこれからを担っていきます。

・農村×能村
丹波篠山国際博をきっかけに農村で文化が融合しました。
5月には田んぼの畦にて「高砂」を、11月には拠点AZE HOUSEの再生した棚田にて「融」を舞っていただきました。

【新たな機会】
アメリカの高校生study&serviceプログラム、神戸大学を拠点とするESDプラットフォームWILLの農村レジリエンスの活動フィールド、東南アジアの大学生、大学院生プログラム、越境型企業研修ALIVEの答申先など、農村に新たな出会い、学びの機会が芽生えてきています。
【そしてこれから】
課題への対処法から出発するのではなく、新しい働き方、生き方を起点とした「多軸なライススタイル」にチャレンジができる場へ。自然と人とが相互に関係する農村・里山において、私たちは「人」の可能性にフォーカスし、新しい地域社会のあり方、都市との共創にトライしていきます。
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『一般社団法人AZE』 ~ 多軸なライフスタイルを ~
里山に学び、SATOYAMAを創る
【お知らせ】
●参加申込受付中! ミチのムコウ「100人ではぐくむ名前はまだ無い日本酒2026」
2026参加申し込みはこちらから
連携している狩場一酒造さんはこちらから
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