【ミチのムコウ】100人ではぐくむ名前はまだ無い日本酒2025_田んぼ準備編その2

4月に入ってから1ヶ月、田んぼの準備も本格化。

3月の隅堀り・施肥・耕耘作業の続編、田植えまでの1ヶ月を振り返ります。

畦塗の一場面:だんだんと鍬使いもうまくなってきました!

4月6日【溝さらえ】集落での日役

 溝さらえとは、田んぼに水を張る前に水がスムーズに流れるよう水路を掃除することをいいます。4月のはじめに集落にて協働して行う大切な仕事です。これを私たちのところでは「日役」といっています。大きな溝では鋤簾(じょれん)を用いて、小さな水路ではクワを使ってたまった泥を取り除いていきます。水路の長さは数キロ(私たちのところで把握している水路は合計5kmほど)にわたり、みんなで行っても一日作業です。

※水路の掃除はこの1回だけではありません。大雨や台風のあとではもちろんのこと、これから畦に生える草も生長し草刈り作業が増えるとともに、刈った草が溝につまらないよう都度チェックや水漏れがないかの保守点検等を行っていきます。

水利は共通財産。みんなが気持ちよく利用できるよう集落の大切な協働作業です。

4月14日~16日【水入れ、荒代】

水路の掃除が完了すれば、田んぼに水を入れていきます。この時少しずつ入れるのではなく、一気にためるのがポイントです。水がたまればトラクターにて水と土をかき混ぜ泥状にしていきます。この工程を荒代(あらしろ、あらじろ)といいます。

いよいよ田んぼに水が入ります。
水を入れた直後は凸凹ですが、これからトラクターで耕しある程度平らにします。
代掻き1回目:荒代、水と土を混ぜ合わせていきます。

4月17日、19日【泥寄せ、畦塗】ミチのムコウ体験イベント

これで普段見かける田んぼらしくなったのですが、このままでは田んぼの側面から水がしみ出し数日もすれば水がなくなってしまいます。これを防ぐために畦塗(あぜぬり)もしくは畦付け(あぜつけ)といって、田んぼの側面に泥の堤防を築いていく作業を行います。ミチのムコウでは、この工程にも参加いただき(但し、人数限定)、田んぼつくりをより身近に感じていただくことができます。例年ですと鍬(くわ)を使っての畦塗からの参加ですが、その前工程として泥を畦の側面に寄せ、塗りやすい状態にするため軽く乾かす作業があります。泥寄せと呼びますが、クワよりも幅が広く、水の抜け穴が彫ってある鋤簾(じょれん)を使います。

次に続く畦塗がしやすいように、泥を寄せて少し乾かします。

4月19日(土)畦塗イベント当日、汗ばむ陽気の中、午前15名、午後30名にて畦塗を行いました。初めて参加の方から4年目のベテランまで、職人をイメージし泥の堤防を築いていきました。クワに限りがあったので、秋の収穫祭に使う薪をみんなで作りました。斧を使っての薪割り、初めての方は恐る恐るでも「パカッ」と気持ちのよい音で割れると歓声が上がります!

畦塗:水が側面からもれないように泥の堤防を築いていきます。クワが足りずに幅広の鋤簾(じょれん)でも頑張ります。

【農村×能村の準備】

丹波篠山国際博の一環として、今年のスペシャル企画「農村×能村~第1弾:田植えと能のコラボ」、こちらの準備も着々と進んでいます。実際に衣装をまとい、田んぼにて能を舞っていただきました。

稲作×田楽がコラボするミチのムコウプレゼンツ『農村×能村』

5月5日【代掻き】

田んぼにいったん水が入ると乾いてしまわないよう随時田んぼの様子を見に行く毎日が始まります。そして本日、田植え前の仕上げの作業である「代掻き(しろかき)」、畦草の草刈を行っています。代掻きとは、田んぼに水を張って土を細かく耕し、表面を水平にならしていく作業です。前回の「荒代」も代掻きという工程の1段階目になりますが、今回2回目の作業では田植えに備えての仕上げの意味があります。この作業においては、以下の目的があります。

・苗の成長:土を柔らかく平にすることで、田植え後に根が活着しやすい。また耕すことで新鮮な空気を送り込み、水深が均一になるのでムラなく育つ

・田植え作業:土を柔らかくすることで、田植えのときに苗が刺さりやすくなる

・田んぼの管理:土が均一になることで水が全体に行き渡り、田の水持ちが良くなる
・雑草の抑制:前回の荒代から日数が経っており、雑草が発芽していますが、再度土の中に埋め込むことができ、またごく表面のトロトロの層(還元層)では、発芽が抑制されていきます。

これらの目的を達成するためにも、水の量や耕す深さ、トラクターの速度、田んぼによる微調整などを行います。

代掻きの2回目:田植えに向けての大切な最終作業。
トラクターで均しきれないところはトンボで調整。

さあ準備が整ってきました。

今週末から始まる「田植え」でお会いしましょう!!

 【米つくりの暦:五百万石】

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『土』から『口』まで、より『良』きつながりを。
私たちは丹波篠山にて、「里山における有機農業」を実践するクリエイティブチームです。

【お知らせ】

●連携:新たな活動拠点「AZE HOUSE」がオープン!

●農園:チームとして食と農を次世代へ「Open Farm for Chef(仮)」開催企画中!

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