稲刈り、ドローンと彼岸花

今年は水稲圃場2枚で実験を行いました。

ダイハツ工業さん、ナイルワークスさんにご協力いただき、
稲の生育と水温、水深、畔草の状態との関連調査を実施しました。

水位センサーを圃場内5か所、あて口に設置し、スマホアプリにて水位と水温を管理、データ収集。
稲や畔草の状態は、ドローンにより撮影。
収量と画像データ、水位センサーのデータの関連性を今後解析していく予定をしています。

さて、この取組みの目的は??

吉良農園では、野菜・ハーブは25年間、栽培中無農薬・無化学肥料の畑エリア、
水稲は田植え後に1度除草剤を使用する特別栽培の田んぼエリアに分けてきました。

これは限られたマンパワーと小さく折れ曲がった圃場地形、できるだけの生態系への配慮と
美味しい農産物生産とのバランスを考慮した結果です。

この25年間、農業従事者の高齢化、担い手不足が叫ばれてきましたが、
「身体の動く限りは」と農業を続けてこられた地域の方々のお陰で外から見た風景に大きな変化は見られませんでした。
しかし、ここ5年ほどでそれも限界に近づき、今までのように営農規模を継続していくことが困難になり、
それに伴う耕作放棄地の増加、獣がいの拡大などで、さらに維持が困難になるという負のスパイラルに入り
地域農業を取り巻く環境は大きく変化しています。

今までの方法では限られた圃場以上に広げることはできない。

根っこの部分にある農業と食と生態系に対する哲学を持ちつつも、地域農業として次代へと伝えていくために
テクノロジーとの融合はできないものか。
小さな農家としては大きな設備投資も規模の経済も期待できない中、ダイハツ工業さんの地域活性化チームの方々と
出会い、ご支援いただくこととなりました。
ただ、データを収集するだけでなく、共に汗を流し現場の課題を見つめてくださっています。

稲穂が実り、畦に咲く彼岸花が当たり前にあるこの風景。
試行錯誤は続きます。

あて口の水位センサー
ドローンの飛行路設計の為に計測
稲の様子だけでなく、畔草の刈り方の違いもドローンで調査
ホウネンエビはじめ、カイエビ、オタマジャクシ、ヤゴなど生きものでにぎやかな田んぼです
出穂時期に、獣がい対策(イノシシ、シカ)として電柵、網の設置(これが大変!!)
5か所に水位センサーを設置し、水位、水温を計測
電柵の隙間からイノシシが入り、稲刈りまでもう少しのところで踏み倒された稲
獣がいにあわなかった田んぼでの稲刈り
8月の暑さ、水不足により収量は少なめ
水が当たりにくい田んぼでは8月の猛暑、水不足で稲の一部が枯れたり倒れたり。ダイハツ工業さんと共に手刈りです